コストダウンの威力

話題として取り上げるには機を逸してしまったと思われるが、トヨタ自動車が発表した2010年3月期の連結決算。
最終損益が2094億円の黒字とのこと。前期が4369億円の赤字だったのだから、すばらしい回復ぶりだと思います。


この回復は、原価改善や固定費削減が功を奏し、2期ぶりの最終黒字に転換しました。


やはり、原価改善、すなわちコストダウンへの取り組みの効果は大きい。


このコストダウン必要性が高まっているが、それはなぜなのであろうか。その理由を考えてみると、次のようなことが挙げられると思う。

1)売上が伸びない、利益も伸びないような昨今、企業の生き残りを考えると、コストダウンに活路を求めざる得ないのではないでしょうか。

2)現在のようなデフレ傾向の中では、何も対策を取らないでいるならば、売上は減少するだけです。そうした中で、利益を確保しようとするならば、コストダウンを図るしか策がないと思われます。

3)実際、コストダウンを実行しようとすると、様々な制約下で、その制約をも乗り越えるような形で進めなければ実現することが難しい。ということは、コストダウンを進めることで、製品開発、生産技術や生産の仕組みにおいてイノベーションを起こす方向で動くようになると思われます。


日本の製造業の底力は苦しい時に、智恵を絞り、厳しい制約の下でも、それを跳ね返してきたところにあると思います。


ここで、コストダウンへの取組みを怠れば、日本の製造業は生き残れないのではないかという危機感も私は抱いています。


技術系、製造系に携わった一人として、なんとか製造業の奮起へ支援していきたいものです。