円高と製造業
最近、円高が進んでいる。
もう、日本の製造業が国内で生産しても利益が出ないみたいな言われ方をしているが、その見方は果たして正しいのだろうか。
生産された製品が主に輸出されるような構造の企業にとってはそうだろうが、国内で需要が賄える企業にとってはどうなのだろうか。
原材料等が逆に安く仕入れられると考えれば、その分製造原価が下がり粗利は増える。
だから、消費が今までと同じならば利益は増えるはず。
しかし、利益が増える傾向にはないわけだから、消費が落ち込んでいるのだろう。
消費が落ち込んでいるので、お金が世の中に回らないんだろうが、なぜ消費が落ち込んでいるのだろうか。
自分の周りを見ていると、生活必需品は切り詰めているように思えない。
また、iphone4sとかが発売されたが今までのセールス記録を抜くなどとの記事を読むと、欲しいものがあれば人々は買うんだなと思える。
ということは、世の中にああ欲しいというものが減ってきたのかなと思う。
じゃあ、欲しいものを考えて作ればいいわけだ。
といっても、製造業の大半を占める中小製造業で、そこまでの力を持っているところは少ない。
大手企業の下請け、孫請け的な体質で事業を営んでいるわけで、その大手企業が輸出比率が高くて、モロに影響を受けているのだろう。
下請け構造が変わらないなら、元受先をもっと幅広く国外に求めてもいいんじゃないかと思うようになってきた。
そのためには、技術力や技能を有する日本の中小製造業をいかに国外の企業に知ってもらうかが必要なのかなと考え始めている今日この頃である。