生産系コンサルタントの道 Wライセンス取得の奨め(24)

ちょっと間が空いてしまって済みませんでした。


では、前回の続きとして、平成22年度技術士第2次試験、総合技術監理部門の午後の問題Ⅱ−2(記述式試験)の残りの設問(2)、設問(3)の取組みについて書きます。


設問(2)です。


(2)(1)であなたが採り上げたケースについて,事業等の前提となる主要な条件(社会的環境,社会・市場のニーズや規模,本事業等や関連技術の競合状況等)について生じる可能性のある重要な変化を具体的に記述し,その変化により顕在化する可能性のある社会的なデメリット(本事業等がもたらす悪影響や,期待していた社会的便益の喪失)について論理的に考察せよ。また,解答に当たっては,上記デメリットが顕在化し得ると想定する時期又は条件についても明記せよ。以上の前提条件の変化,社会的デメリットとその発現時期又は条件を答案用紙2枚にまとめよ。


自分が受けた問題用紙を見ると、下記の箇所にアンダーラインを引いています。


1.可能性のある重要な変化を具体的に記述

2.その変化により顕在化する可能性のある社会的なデメリット(本事業等がもたらす悪影響や,期待していた社会的便益の喪失)

3.上記デメリットが顕在化し得ると想定する時期又は条件についても明記せよ



私は、可能性のある重要な変化は、従来自動車のエネルギー源としていたガソリンが電気エネルギーに変わるという変化とそれに伴い、デメリットとして、石油スタンドや石油関連企業の業績低下や雇用の縮小が起こる可能性があることと、修理工場などのような従来の自動車関連企業が技術革新により衰退する可能性があることを記述したと思います。


発生する時期、条件としては、電気自動車の普及率及びそれにエネルギーを供給する施設(電気スタンド)の普及率の条件を上げました。


論理的にということなので、何故そうなるのかということを筋道を立てて記述しました。



次に設問(3)です。


(3)(1)及び(2)を踏まえ,本事業等が長期にわたって社会的に受容されることを目的として,想定したデメリットの発現を防止,又は発現したとしてもその影響を最小限に抑えたり,あるいはデメリットを上回るように社会的便益を維持・増大したりするための具体的な方策について,総合技術監理の5つの分野のうち,3つ以上について言及しつつ答案用紙2枚に記述せよ。また,必要に応じて分野間の相互関係にも留意して解答することが望ましい。なお,求められる対応の時期としては計画時点に戻っても構わないものとする。


この設問でアンダーラインを引いているのは、


想定したデメリットの発現を防止,又は発現したとしてもその影響を最小限に抑えたり,あるいはデメリットを上回るように社会的便益を維持・増大したりするための具体的な方策


の部分と


総合技術監理の5つの分野のうち,3つ以上について言及


です。



ここは、正直言って忘れてしまいました。


ただ、国家的なプロジェクトなので、関係官庁が調整を図ったり、施策を策定することでソフトランディングさせていくみたいなことは記述した記憶があります。




こうやって、書いてみるとあまり覚えていないのです。


よく試験が終了したら、解答を再現しておくようにと言われているのですが、今回も、その前の年の経営工学部門の試験を受けた時もやっていませんでした。


ですから、筆記試験の合格通知が来てから、焦ったのは、筆記試験の解答内容について聞かれたら、どうしようということでした。


しかし、私としては口頭試験は、提出した技術的体験論文を基に実施するものとだと判断していましたので、口頭試験の前にここに記述した程度の記憶を蘇らせて、口頭試験は臨みました。



筆記試験を通して感じることは、文章力です。それも、論理的な文章をいかに構築できるかということです。


この辺りについては、マッキンゼー社が考えたコンセプトの「MECE」(ミッシー)を応用することをお奨めします。


これは、「Mutually Exclusive and Collective Exhaustive」(相互に重なりなく、全部集めたら漏れがない)の略で、簡単に言うと、ある全体の事象で見たときに「漏れ」なしに「ダブり」なしの部分集合の事象に分けて考えろということです。


こういう考え方などは、やはり中小企業診断士試験を受験していたから、そのときに学習したことが役に立っているのだと考えています。