生産系コンサルタントの道 Wライセンス取得の奨め(19)

前回に引き続き、経営工学部門の平成21年度技術士第2次試験の受験体験を通しての解答のプロセスについてです。


短い昼食休憩が終わり、いよいよ、午後の試験の始まりです。


問題用紙と解答用紙が配られ、スタートの合図。


午後は選択科目であるⅠ−2は、4設問あるうち、3設問を選ばなくてはなりません。


問題用紙を開くと、まずⅠ−2の設問を見ていきます。Ⅰ−2−1から順番に設問読み、各設問の選択するかどうかを確認していきました。


Ⅰ−2−1、製造リードタイムの短縮意義を3つの観点で整理・・・パッと頭の中にリードタイムを短縮することのメリットを思い浮かべ、3つ揃いそうなので、この設問は選択すると決めました。


Ⅰ−2−2、改善活動における分析的アプローチと設計的アプローチ・・・う〜ん、これどっかで似たようなこと聞いたような・・・ということが記憶にありました。
改善活動=QC活動と捉え、問題解決型ストーリーと課題解決型ストーリーで対応しようと決めました。ですから、この設問も選択しました。


Ⅰ−2−3、「品質は工程で作り込む」を研究開発部門、製造部門、検査部門、販売部門のそれぞれの品質水準との関連での説明が求めらています。ちょっと考えれば、手がつけられそうだが、時間との兼ね合いかも。次の問題を見て判断しようと思い、一次保留。


Ⅰ−2−4、2つの用語の違いを簡潔に説明する問題。用語は5組。知っていれば、楽勝だけれどと思い、各用語を眺めていく。不安な部分が2組存在していました。知識を求めている問題は、書き方でごまかせるようなものでないので、先ほどのⅠ−2−3の設問を選らぶことに決定しました。



次に、Ⅰ−1の問題を読みます。


問題文はある工場の状況が簡潔に書かれています。設問は2つです。一つは基本的な改善方向を2つ挙げ、そのねらいを述べる。また各改善方向に対して、2つの具体策を示す。・・・なんか、中小企業診断士第2次試験の事例Ⅲに出てくるような感じの問題です。


二つ目は、緩衝機能を3つ挙げ、それそれのねらいを述べるのと、各方策に2つの具体的対策を示せ。・・・これは、私が今回の試験のためのテキストとして選んだビジネス・キャリア標準テキスト「生産管理オペレーション 3級」テキストに載っていました。
それを思い出し、3つの緩衝機能は・・・と、モノ、能力、時間と問題用紙の余白にメモしておきます。


とりあえず答案が書けそうな要素は各設問ごとに引き出せたので、さあ、これで取り組むぞ・・・ということで解答用紙に鉛筆を走らせ始めました。


各分量が多いので、終了時間間際まで書いていました。


最終問題の解答を書いているときは、多少、手に震えが来たのを覚えています。これは、私の特徴ですが、時間が迫ってきて書き揚げる時に、手の震えが出てきます。


でも、終了10分前には書きあげ、作成した解答を何回か読みなおしていました。


「終了!」の声、そして鉛筆を置きました。



午後の必須科目は、必須科目というだけあって、専門的な知識とその応用が問われる問題だと思いました。


また、今までですと抽象性が高い問題が出題されていましたが、具体的な内容を題材に問われている点が、専門的な実務経験も踏まえ、論理的観点で物事を捉えているかが試されているような気がしました。


この問題を着手して、感じたことのもう一つは、中小企業診断士第1次試験の運営管理(生産管理)や中小企業診断士第2次試験の事例Ⅲ(生産・技術を中心とした経営の戦略および管理に関する事例)に類似しているなということです。


私は、この試験の受験申込をした際に、自分のモチベーションを上げるためと、技術系の中小企業診断士技術士の資格取得を薦めたいこともあり、「中小企業診断士の経営工学部門技術士取得へのチャレンジ」という資料を作成したのですが、そのときに考えていた中小企業診断士技術士(経営工学部門)の親和性は高いことを改めて感じました。