日本経済を壊す会計の呪縛

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、大畑伊知郎著、「日本経済を壊す会計の呪縛」です。


本書は、ビックバン会計にて会計基準が変更されてきてからの日本企業の経営の変遷を会計基準と結びつけて解説しています。


日本経済を壊す会計の呪縛 (新潮新書)

日本経済を壊す会計の呪縛 (新潮新書)


海外投資家の参入のし易くする、会計の透明性を上げるなどの名目で会計基準が変わりましたが、それは日本の経営のあり方も変えていくことになったのが本書を読むとよく理解できます。


株主重視の短期的利益追求は、リストラを促すことになり、それまでの日本的経営の長期的視点に立った経営が崩れていったのです。


それは、減損会計などの会計基準の変更が、さらに拍車をかけていたのですね。


ここに述べられている通りだとすると、会計基準の見直しが必要ではないかという気さえ起ってきました。


本書を読んでいて、中小企業診断士試験の受験を控えて、会計基準の見直しが行われ、また新たに財務・会計で覚えなくてはならいことが増えたとげんなりしていた頃のことも思い出しました。


でも、その時に少し齧らせてもらったので、この本の話についていくことができましたが、本書を読むには会計の初歩的な知識が必要だと思います。