同性愛の謎

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、竹内久美子著、「同性愛の謎―なぜクラスに一人いるのか 」です。


阿川佐知子さんの「聞く力」の近くに置いてあり、「なぜクラスに一人いるのか」というサブタイトルに興味を持ち、手に取りました。


高校2年生のクラスの時に、はっきりと公言していた人間も一人いて、その当時はそんなこと口にする人なんていないので、強烈に印象に残っています。


この本を見て、ああ、やっぱりクラスで一人ぐらいはいるのかと思いました。


同性愛の謎―なぜクラスに一人いるのか (文春新書)

同性愛の謎―なぜクラスに一人いるのか (文春新書)


さて、内容ですが同性愛者が淘汰されすにある一定の割合(約5%)いるのは、なにか遺伝学的にそれなりの理由があるのではないかということで、世界で研究されている例をもとに解説しています。


男性の同性愛者のことを中心に書かれており、結論としては、遺伝子を残す、という意味で不利な筈である同性愛者が、どの時代でも一定の割合で存在する。


淘汰されない理由は、(男性)同性愛者の母はより多くの子供を産み、結果的に相殺されるからである。


彼らは女性的なものを強く残そうと云う遺伝子を母から受け継ぎ、その結果、異性愛女性と同じ振る舞いをする、らしいということです。


果たして真相はどうなのでしょう。


あくまで遺伝子学や動物行動学的見地から書かれていますが、心理的な部分が描かれていません。


この辺が遺伝子で予めプログラムされていて、実際の人の意志とは関係なく、そのように仕向けられているのかというところが、釈然としないところでもあります。


この手の本は、賛否両論あると思いますが、そういう見方もあるのだなということはわかりました。