中小企業診断士試験は、旧制度では、商業、工鉱業、情報の3分野に別れ、一応それなりに専門性をベースに、それぞれの企業の経営的支援を行うことで出題されていました。
新制度になり、これらの専門分野はなくなり、それらは中小企業診断士1次試験及び2次試験の各出題に散りばめられるようになり、専門的な知識より、よろ経営的な知識や応用を求められるようになったと思います。
その代り、専門性が重要視されなくなった分、実際に実戦経験豊富な人材でなくても試験に合格する割合が高くなりました。
その分、いざ診断になると、知識ベースだけで立ちゆかない部分も増えてきたのではないかと思います。
私は、もともとメーカーに勤務し、長年生産技術に携わってきたこともあり、工場とのやり取りの中で業務を行なってきました。また、生産技術も装置産業及び組立産業の両方に携わることができました。
そんな私が、中小企業診断士になり、感じたことは、工場や生産系の診断で、皆さんがアドバイスされることが「5S」が殆どだったということです。
生産(技術)的な着眼点は、他にもいろいろあると思いますが、事例等で出てくる領域では、「5S」の領域を超えていない気が、自分には感じました。
そんなこともあり、中小企業診断士登録後に私は技術士の資格を取得することを決意しました。
退職後だったので、この技術士試験の受験申込の制度等を深く知ると、結構不安な面もありましたが、なんとか経営工学部門の試験に合格し、登録するまでに至りました。
しかし、技術士の場合、会合などに出ると技術の研鑽の方に力点が置かれ、コンサルタントというビジネスへの関心が結構希薄であることに驚きを生じました。
コンサルタントの国家資格としてのダブルライセンスを取り、感じていることでは、仕事(業務)の獲得の面では中小企業診断士の方が、意識が高いことを感じました。そうは言っても、国や自治体等の仕事を獲得する時には、技術士の資格も捨てたもんではありません。
技術系の人間が、コンサルタントになるには、技術もわかり、経営のこともわかることが大事なのかと思います。
理系人間は決して経営のことに疎いわけではありません、欧米の名だたる経営学者は理系出身の人が多いです。
とかなり前置きが長くなりましたが、技術系の人間がコンサルタントになるために、中小企業診断士と技術士のダブルライセンスを取得した方が良いという私自身の独断と偏見で、本シリーズをスタートしたいと思います。
個人的にはタイトルは、技術系コンサルタントより生産系コンサルタントにしたかったのですが、技術士試験には総合技術管理もあり、そこには経営的観点が含まれてきますので大きく技術系コンサルタントとしました。
おおよその流れとしては、1)中小企業診断士試験及び技術士試験の大まかな流れの解説、2)それぞれの試験での受験時のポイント、3)どのような流れで受験するか、学習方法 について述べていきたいと思います。
どこまで息が続くかと思いますが、よろしかったらおつき合いください。