生産系コンサルタントの道 Wライセンス取得の奨め(21)

前回に引き続き、総合技術監理部問について書きます。


技術士総合技術監理部門の範囲としては、1.経済性管理、2.人的資源管理、3.情報管理、4.安全管理、5.社会環境管理、の5つの管理技術がメインになっています。


この5つの管理技術がどのようなものかその概要をここに示します。また、前回書いたように、中小企業診断士試験と類似した部分があるので、合わせて各管理技術が、中小企業診断士第1次試験の科目のどれに該当または含まれる部分かも記します。


【経済性管理】
経済性管理は、生産活動において品質、コスト、納期、いわゆるQCDなどを目標レベルに維持することである。
そのために最適な経営資源の配分を生産性向上の視点から検討できる能力が必要とされる。


過去問題から見ると、この分野は、中小企業診断士第1次試験で言えば、運営管理(生産管理)と財務・会計の投資回収計算や原価計算の部分が該当する。




【人的資源管理】
業務に関係するメンバーの能力を最大限に発揮させるように適切な運営とメンバーの能力開発を行っていくことと、労働関係の法律を順守し、労務管理をおこなっていく運営管理技術が必要とされる。


中小企業診断士第1次試験の科目で言えば、企業経営理論の組織論(経営組織の運営、人的資源管理)の部分が該当します。



【情報管理】
情報は、経営資源の一つとして戦略的に活用して生産活動を行ったり、危機管理の視点からの情報連絡体制の構築、それらの情報をシステム的に取り扱うネットワーク技術や情報セキュリティに対する理解能力が求められている。


中小企業診断士第1次試験の科目では、経営情報システムが該当する。



【安全管理】
労働安全や社会的リスクや情報リスクなどを一体的に管理するリスク管理や危機管理などのリスク管理への対応が必要とされる。


中小企業診断士第1次試験の科目では、運営管理(生産管理)、経営法務、経営情報システム(経営情報管理)が該当する。



【社会環境管理】
社会環境管理の目的は、組織やプロジェクトの生産活動が外部環境に対して与える負荷を低減することにある。経済性の観点より社会環境への影響を判断し、必要な対策を判断できる能力が必要とされる。


中小企業診断士第1次試験の科目では、企業経営理論(CSR)、運営管理(生産管理)は該当する。



こうやって、5つの管理技術を概観してみると、中小企業診断士第1次試験での受験科目の試験範囲とのオーバーラップ部分が多いことがわかる。


したがって、技術系の方で中小企業診断士の資格を取得されようとトライしている方は、勉強されることで、総合技術監理部門が必要とする知識も同意に勉強されていることになると思います。


午前中の問題「Ⅱ−1」(択一試験)は、クリアできる可能性が高いと、私は考えています。