堺屋太一さんの講演

昨日、経営向上TOKYOプロジェクトのキックオフ大会で堺屋太一さんの講演がありました。約1時間半強の時間の講演でしたが、日本の景気動向が今後どうなるかや今回の世界的不況の発端がどのようなことで起こったのかなど、わかりやすくお話をしてくださいました。


ここでは、その中で私が興味を引いたところやヘェー、こういう考え方もあるんだと感じたことを書き記しておきます。

1.街角景気観察:タクシーの運転手さんや飲み屋のおかみさん等々街角の人々約2,000人に景気の実感等を聞く調査だということです。初めて知りました。調べてみると、内閣府で「景気ウォッチャー調査」とういうことで実施しているようです。詳細は、次のURLを参照してください。

http://www5.cao.go.jp/keizai3/watcher/watcher_menu.html


2.現在、景気は底を打って回復基調にあるように見えますが、来年の後半当たり(中国の万博の後)に2番底がやってくる可能性があるとのことです。お話では、2011年を乗り切れるかが勝負所とのことです。


3.昨年(2008年)6月の洞爺湖サミットでの議題は、インフレ対策、地球環境問題、アフリカ問題だったそうです。当時は、石油価格の高騰で世界的なインフレを懸念していたんですね。洞爺湖サミットの内容については、次のURLでご確認ください。

http://www.mofa.go.jp/Mofaj/gaiko/summit/toyako08/index.html


4.1997年後半の山一証券北海道拓殖銀行の経営破綻に端を発した日本の金融危機のときの対処は、1)低金利資金の供給、2)不良債権の買上げ、3)公的資金の注入、4)預金金額の保証、5)大型補正予算、だったそうです。今回の世界的金融危機においても、各国の対応はこの時の日本の取ったものと同様な対応をしているようです。


5.金本位体制では、貨幣は金というモノに換わる。ペーパーマネーでは、借り手がおり利子がつくから価値がある。現在の不況は、次の借り手がいないということ。


6.日本が直面している問題:1)不況;金余り、モノ余り、土地余り・・・人と知恵が足りない。知恵により、同じものでもより多くの満足感を感じさせる。2)高齢化;企業経営にとってはチャンスと捉えられる。終身雇用、年功賃金の枠から外れた、経験を持った安い労働力が出てくる。


話のテンポもよく、興味ある話題を興味深く語ってくださるので、あっという間の時間でした。