これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。
今回紹介する本は、鈴木貴博著、「日本経済予言の書 2020年代、不安な未来の読み解き方」です。
トヨタが2020年1月7日(火)、アメリカ・ラスベガスで開催されている世界最大規模のエレクトロニクス見本市「CES 2020」において、静岡県裾野市に「ウーブン・シティ(Woven City)」と呼ばれる実験都市を開発するプロジェクト「コネクティッド・シティ」を発表した。
そして、本年2月23日に、先進技術の実証都市「ウーブン・シティ」を着工するニュースが流れた。
なぜ、トヨタが?・・・という人も多かったのではなかろうか。
だが、本書を読むと、トヨタの狙いがわかるのではないだろうか。
本書には、未来を予測することについての極意も書かれている。
それは、要約して言えば、『歴史に学べ』ということらしい。
同じような現象、兆候が表れた時、その時代では、どういう成り行きになったのか、先人たちはどのような対応を取ったのか、そこから、それと類似した現象が現在起こっているならば、そこからこれから先、どうなっていくかを読み取ることが出来るのだと言う。
ここに述べられていることは、本当にこれから起こるのかと思うと、ゾッとすることでもある。
本書の凄いところは、ただ言いっぱなしで終わるのではなく、最後にその処方箋も提示していることだろう。
コロナ発生からのこの一年、様々なことがあったが、これからも多くの苦難が待ち受けているようである。
但し、本書でも書かれているように変えられる未来もあるのだ。
本書を参考に、その変えられる未来に我々も微力ながらも努力あるいは貢献できればと思う。
一読の価値ある本です。