これから20年、三極化する衰退日本人

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、中野雅至著、「これから20年、三極化する衰退日本人〜依存する人、搾取される人、脱出する人〜」です。


これからの日本がどうなるのかを描いた予言の書のような本です。

格差社会からさらに衰退社会、カオス社会へと日本が変貌すると、日本人は、政府の政策に依存する人、政府から搾取される人、そういうのを嫌って、日本を脱出する人に三極化すると、著者は述べています。



大学教授が書いているのですが、これらの予測に対するデータ的な根拠もなく述べているので、読んでいると近未来を描くSF小説のようです。


出版されたのが2012年で、東日本大震災の半年後ということもあり、原発は稼働しなくなるとか大胆な予想。


仕事がなくなることよりベーシック・インカムを持ち出しているところは、なかなか先見の明があるような気もしますが、AIの進展などは描かれておらず、その辺も踏まえた方が良いのではとも思えました。


また、日本は今後、成長に乏しいようなことが書かれているのですが、医療分野等では先端的な研究開発もされており、その他の分野でも日本はまだまだ侮れないと思うのですが、その辺りは考慮されていません。


ただ、AIに進展により、今までの仕事が機械に切り替わることはあると思います。


そのとき、人間だからできる仕事は何であるかは、もう今の段階から検討してかなければならないんだろう・・・と本書の趣旨とは異なりますが、本書を読んで感じました。