最後の喫煙者

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、筒井康隆著、「最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集〈1〉」です。


久々に筒井康隆作品を読みました。


本書は、この間、福岡に行ったときに書店でピース又吉が愛してやまない20冊の中に取り上げられているのもあり、手に取ったものです。


最後の喫煙者 自選ドタバタ傑作集1 (新潮文庫)

最後の喫煙者 自選ドタバタ傑作集1 (新潮文庫)


この世界に、中学、高校のときに完全に嵌ってしまっていました。


自選ドタバタ傑作集ということで、九編が取り上げられていますが、いずれもナンセンスで筒井ワールド全開といったところでしょうか。


タイトルの「最後の喫煙者」は、受動喫煙等で昨今、喫煙者に対する風当たりがさらに強くなりそうな風潮にも合致しているものでもあるし、その数が少なくなると絶滅危惧種ではないですが、保護されてしまうという部分は、笑えるけど笑えない話です。


「老境のターザン」も、よくもまあ、こんなこと思いつくなあという、これが筒井ワールドといった作品だし、平行世界はSF作家、筒井康隆の一面も表す作品ではないでしょうか。


好き嫌いが分かれる作家だとは思いますが、私は好きなので、この本はお奨めします。