哀しき半島国家 韓国の結末

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、宮家邦彦著、「哀しき半島国家 韓国の結末」です。


韓国本ですが、いわゆる嫌韓本とは違います。


朝鮮半島満州、中華の三地域を俯瞰しながら、地政学的に歴史的変遷を振り返り、これからこの地域で起こりうる事態をケース別に分析して、シナリオを描き、今後日本が取るべき策を考えておこうという本です。


哀しき半島国家 韓国の結末 (PHP新書)

哀しき半島国家 韓国の結末 (PHP新書)


地政学に関する本は、佐藤優氏の著書など数冊読みましたが、このようにケース別にシナリオを描くという方法は、実に具体的で面白いと思いました。


三つの地域で、それぞれのケースを考え、その組み合わせで考えていくので、この本で紹介しているものは24ものケースについて述べています。


経営戦略を考えるときも戦略オプションを考えるのに、いくつかのケースに分けて、それぞれシナリオを描くわけですが、本書は参考になるのではないでしょうか。


この本の凄いのは、それをきちんと一つ一つ分析している点です。


端折っていないところが、著者の人柄が伺えて、良かったです。


朴槿恵大統領の弾劾の行方や釜山への慰安婦像設置などで、騒がしい国ですが、東アジア全体で俯瞰してみたときに、日本はどうしたら良いのか、その方向性を考えるのに、いろいろな示唆を与えてくれる本だと思います。