空飛ぶタイヤ

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、池井戸潤著、「空飛ぶタイヤ」です。


800ページ以上ある長編だったので、読むのに時間がかかるかなあと思っていましたが、一気読みしてしまいました。



この本、面白いです。


話としては、トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器となって、通りがかりの母子を襲い、母親が亡くなってしまった。


タイヤが飛んだ原因は、そのトレーラーを所有する運送会社「整備不良」なのか、それともその大型トレーラーを製造した財閥系自動車会社なのか。


ページを開くと登場人物相関図が出てくるのですが、いろいろな組織、そして人物が出てきます。


それが、いろいろな繋がりを持って描かれているところが飽きさせないポイントなのかもしれません。


財閥系企業としての企業間の力関係、また社内力学など、財閥系自走者会社のという大企業と中小企業の運送会社との対比などは、企業小説としての面白みもあります。


運送会社社長赤松の家族やそれを取り巻く環境、銀行と企業の関係等々、冒頭に紹介されている人物相関の人物像がそれぞれが実に細やかにも描かれています。


とにかく主人公の運送会社社長の赤松が熱いです。


その熱さに引き込まれ、この厚い小説を読み進めることができました。


良かったです。


お奨めします。