経営は哲学なり

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、野中郁次郎編、「経営は哲学なり」です。


すぐれた経営は明確な哲学が基盤にあった。


現在のように「明日何がおこるかわからない」という不確実で流動性の高い時代において、企業の未来における「あるべき姿」を描き進むべき方向を定めるには、実践と結びついた哲学が求められます。


ということで、本書では、変化する現実に対応し、実践に活用するためのエッセンスとしての哲学の意義とリーダーの役割が提言されています。


経営は哲学なり

経営は哲学なり


本書は、ひとつのテーマにひとつの章を割り当て、各章は「哲学編」「リーダー編」「ブックガイド」「コラム」という四つのパーツで構成されています。


「哲学編」では。実際の企業の事例を取り上げ解説しています。


「リーダー編」は企業の経営者のみならず、政界、スポーツ界、芸能界などで力を発揮し、周囲の人々に影響を与えた人物を取り上げています。


「ブックガイド」では各章に関連する本を紹介しています。


そして「コラム」では、マンガや小説などの大衆的なアート作品に焦点を当てて議論を試みています。


いろいろなものがギューッと詰まった感じで、それぞれ端的に解説されておりわかりやすかったです。


また、「リーダー編」では、長嶋茂雄ジャイアント馬場田中角栄松田聖子なども取り上げ、こんな切り口で論じることができるんだなと感心してしまいました。


「コラム」の新世紀エヴァンゲリオンの話も、とても面白かったです。


企業が人を通して成り立つために、いかに哲学が大事であるかがわかると思います。


経営者の方たちはもちろん、経営者の方々を支援する中小企業診断士等のコンサルタントの方も読まれると参考になるのではないでしょうか。