ブラック企業経営者の本音

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、秋山謙一郎著、「ブラック企業経営者の本音」です。


この本の面白いところは、今まで出版されていたこの手の本では、ブラック企業に雇われ働いていた従業員視点のものだったが、それをブラック企業の経営者から取材し、経営者視点でその実態を明らかにしたことだろう。


ブラック企業経営者の本音 (扶桑社新書)

ブラック企業経営者の本音 (扶桑社新書)


全四章で構成されています。

第一章 有名ブラック企業にみる矛盾だらけの実態

この章は、ブラック企業として取り上げられているワタミ、ファーストリーディング、ベネッセコーポレーション大阪市役所、楽天などの元従業員が語る実態です。

実際にその企業に属していた方々が語っているので、どのような状況なのかがよくわかります。


第二章 ブラック企業に見る”恐怖の社蓄洗脳術”

ここでは、ブラック企業に入った社員たちをどのようにその企業の色に染めていくか、その社蓄に洗脳していく方法が書かれています。

これなどは、自分が入社した企業がブラックかどうかを判断するための一つの材料になるかもしれませんね。


第三章 ブラック企業経営者の本音(インタビュー集)

これは経営者にインタビューして聞き出した内容が書かれています。

経営者視点に立つとどのように考えているのかがわかります。


第四章 ブラック企業の最新事情と未来予測

ここで面白いのは、ブラック企業新興宗教の信者獲得と信者の維持のための手法と同様だという見解だろうか。

また、資格を取らせようとする嫌がらせや、様々なハラスメントの話もなかなか面白いです。


最近、話題のブラック企業について別な視点からも知りたいという方には、良い本だと思います。