日本型「無私」の経営力

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、グロービス大学院、田久保善彦著、『日本型「無私」の経営力 震災復興に挑む七つの現場』です。


本書は、3.11の東日本大震災の後に、復興のために活動した企業の「無私」の支援の内容やその活動に至る背景などが紹介されています。


日本型「無私」の経営力 震災復興に挑む七つの現場 (光文社新書)

日本型「無私」の経営力 震災復興に挑む七つの現場 (光文社新書)


あの大震災、テレビの映像に映る津波やそれに流される家屋などを見て、皆それぞれに感じることがあったと思います。


ここに紹介されている企業は、被災された人たちをなんとか支援したい、その思いに駆られ、その企業がやっている強みを活かしたり、新たなネットワークを作り活動を進めた様子が書かれています。


取り上げられているのは、全部で7つの企業や団体で、各章ごとに以下のようになっています。


第一章 徹底した現場主義とトップの決断力 ヤマトホールディングス株式会社

第二章 津波を被った写真を洗う~「思い出」を救うプロジェクト 富士フイルム株式会社

第三章 NPOとの連携に見えた企業の可能性 富士通株式会社

第四章 全ては地域、お客様のために~地域経済を支える「信頼」 株式会社東邦銀行

第五章 希望の灯となった地域の「足」と集いの「場」 株式会社みちのりホールディングス

第六章 雇用を守り、地域を想う~若きリーダーの信念 株式会社八木澤商店

第七章 希望のかけ橋となる「場」を創る 一般財団法人KIBOW


既にいろいろなところで取り上げられている活動もあれば、本書を読んで初めて知った活動もあります。


あの大震災の後の復興支援の活動としても読めますが、ヤマトホールディングス東邦銀行みちのりホールディングスなどは、経営者は緊急事態にあった時にどのように対応すればよいのかと言う、BCP(事業継続計画)の参考になるとも思います。


今日は、東日本の方で大きな地震があったようですね。


本書を読んで、緊急時に現場の自主性が発揮できるようにするためにはどいうしたら良いのか、そのヒントを得てください。