これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。
今回紹介する本は、畑村洋太郎、吉川良三著、「勝つための経営 グローバル時代の日本企業生き残り戦略」です。
今の日本、閉塞感からなかなか抜け出せない気分でいらっしゃる方も多いことだろう。
ソニーやパナソニックなどの日本を牽引していた製造業が韓国や中国の企業に押されて、その存在感が薄くなっている。

勝つための経営 グローバル時代の日本企業生き残り戦略 (講談社現代新書)
- 作者: 畑村洋太郎,吉川良三
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/04/18
- メディア: 新書
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本書は、失敗学の畑村洋太郎氏と元サムソン電子常務の吉川良三氏が「こう考えなければ生き残れない」と今の日本企業の向かうべき方向への熱い提言である。
「ものつくり」を「もの」と「つくり」に分けている。
「もの」は思い、考え、アイデアを指し、一方の「つくり」はこの「もの」を具体的な形にするときのプロセスであると定義している。
そして、今の日本が負けているのは「もの」の部分であると説いています。
4部構成になっており、「第1部 日本企業を取り巻く現実」では、今のような状況になった過程と現在の状況を分析しています。
「第2部 日本企業の浮上を妨げる三つの枷」と題し、なぜこのように停滞しているのか、日本企業の状況を分析しています。
「第3部 これからの世界」では、韓国サムソン電子の動向や電気自動車の時代になったら日本の自動車産業の優位性も危うくなるかもしれないことを指摘しています。
最後の「第4部 では、どうすればいいのか?」では、やり方、すなわち戦略をきちんと考えて、日本の特徴を活かした形で、人を育て組織を変えて進むべきとの方向性を提言しています。
これからの日本、どうしたらよいのかと考えている人は是非読んでほしい本です。
特に製造業に携わられている人は読んでほしいと思いますし、まず自分が変わらなければ日本も変わらないと感じてほしいと思います。
また、中小企業のこともかなり言及していますので、中小企業診断士の方も読まれるとクライアントの方たちへのアドバイスの参考になるのではと思います。