技術大国幻想の終わり

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、畑村洋太郎著、「技術大国幻想の終わり これが日本の生きる道」です。


「失敗学」の祖、畑村洋太郎氏の本です。


この人の本は、ある事象を取り上げて、それを丁寧でわかりやすく、かつ深く説明してくれるのが特徴なんですが、本書を読み終わったときに、それで結局何が言いたかったんだろうと思ってしまうほど、著者にしては珍しい散漫とした感じの本でした。



いまさら、技術大国幻想は抱いていないと思います。


それに技術だけでは儲からない、儲けるためのビジネスモデルが必要だということは韓国のサムスン電子と日本の電器業界の逆転劇を見て、感じていた方も多いはず。


結論は、エピローグに書かれており、「考え方を変える」「からくりを変える」「教育を変える」の3つに集約されると言っています。


この方向性に異論はありません。


特に教育はその結果を得るのに時間がかかるものだし、しっかりと先を見据えて、変えていく必要があると私も思います。


今の日本の製造業を俯瞰して、今後どのような方向があるべきなのか、興味のある方には、ざっと見渡すことができる本ですので、お奨めです。