さて、受験申込をして受理されたならば、技術士第2次試験を目指して、学習しなければなりません。
では、技術士第2次試験では、どのようなことが求められているのでしょうか。
その辺のところから概観していきましょう。
前々回でも述べていますが、技術士試験は大きく、筆記試験と口頭試験に分けられ、口頭試験は筆記試験の合格者だけが受験することができます。
【一般部門】
1)筆記試験
筆記試験には、選択科目と必須科目があります。
選択科目は「選択科目」に関する専門知識と応用能力を問う問題(問題Ⅰ)があり、記述式にて試験が行われます。
必須科目は「部門」全般にわたる論理的考察力と課題解決能力を問う問題(問題Ⅱ)があり、記述式にて試験が行われます。
この記述式、書く分量も多く、試験時間も長丁場になります。問題Ⅰでは、600字詰め用紙で6枚以内で試験時間は3時間30分、問題Ⅱでは、600字詰め用紙3枚以内で試験時間2時間30分です。
専門分野における知識と応用能力や部門全般にわたる論理的考察力と課題解決能力が求められているので、問題が何を求めているのかを正確に把握し、それをわかりやすく、論理立てて文章を作成する能力が必要になります。
2)口頭試験
口頭試験は、筆記試験の合格者を対象に実施されます。技術士の適格性を判定することに主眼が置かれています。
筆記試験に合格すると、指定された期日までに、課題に沿った形で技術的体験論文を提出します。この論文が提出されていないと、口頭試験を受験することはできません。
口頭試験では、受験申込の時に提出した業務経歴と技術的体験論文をもとに、試験官が様々な質問を投げかけてきます。
大きくは、
(1)受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容と応用能力
(2)技術士としての適性
に関しての質問だと思います。
筆記試験での解答内容についての質問が出ると言われていたりもするのですが、私の経験では、この大きな括りでは、この2項目に関する質問でした。
試験の突破方法ですが、専門知識については、その部門の知識を広くカバーする専門書を読むことだと思います。それも、体系的に整理することをお奨めします。
私は経営工学部門を受験したのですが、ビジネス・キャリア標準テキスト「生産管理オペレーション 3級」を購入し読破しました。受験までの時間もなかったので、もう、この1冊に頼りました。
次ぎに、自分の業務なりで何か問題があったとき、どのような課題を設定し、どういうように解決したかを整理してみてはいかかがでしょうか。
もう、かなり経験も積み、改めて書くなどの整理をしなくとも、スラスラと語れるならば、そんなのいいじゃないの?なんて言わないでください。
この試験、専門の知識も大事ですが、もっと大事なのは文章(論文)作成能力だと思います。
そのためには、機会あるたびに、鉛筆(シャーペン)を握り、書くことをお奨めします。
実は、この書くという点では、中小企業診断士第2次試験を受験した経験が、十分に活かせたのかなと思います。決められた時間内に、題意に沿って応えていくという訓練は、積んでいたと思います。
技術士第2次試験で言えば、想定問題を自分で作成し、その解答をひたすら書きました。
試験会場へもこの解答用紙を持ち込み、試験開始前や昼食休憩中に眺めていました。
次回は、私自身が受験した経営工学部門について、実際に問題を眺めながら、解答のプロセスについて概説したいと思います。