「価値組」社会

読書本の紹介です。森永卓郎さん著、『「価値組」社会』です。


著者森永卓郎は、この本の中で、今回の不況の原因を作ったマネー経済の時代を「金融戦国時代」と称し、マネー経済が破綻した今、これからやってくる時代は江戸時代のような庶民が自分の価値に従い、生きていくような時代「新江戸時代」を迎えると言っています。


これは、日本の歴史を振り返ると、戦国時代がマネーゲームという金融戦争をやっていた、この間までと似ているというところから、戦国時代から江戸時代に移った歴史に準えています。


ということで、第一章〜第四章までの冒頭では、高校で日本史を現役教師で教えている河合敦先生との対談になっています。河合先生は、日本テレビの「世界一受けたい授業」の講師としてもおなじみの方です。


「価値組」社会 (角川SSC新書)

「価値組」社会 (角川SSC新書)


マネー主義の時代が終焉し、これからは、人間が人間らしく働いてお金を得るという実物の時代へとパラダイムシフトするだろうと言っている。


そんな時代では、今、金銭を得ているかどうかで「勝ち組」、「負け組」と分別されている「負け組」の中でも、生活に不自由ない稼ぎで、精神的にも余裕があり、自分の好きなこともできる、そんな人たちが「価値組」になり、そういう社会へとシフトしていくだろうと説いている。


価値感っていうか考え方の一つとして、こういう考え方もあるのだなと受け止めた。


これから、先行き不透明に思われる時代を迎えようとしているが、そんな中でも自分を見失うことなく、やりたいこと(価値)を見出し、生きていきたいとか生きていこうという意志ある人には、ちょっとだけ、背中を押してくれる本になるのではないだろうか。