急に売れ始めるにはワケがある

読書本の紹介です。マルコム・グラッドウェル著、「急に売れ始めるにはワケがある」です。


マルコム・グラッドウェルの本は3冊目ですが、この本が一番はじめに出版された本になります。2000年3月に飛鳥新社より単行本として刊行された書籍を編集・文庫化したものです。


この本では、世の中の流行は何が起点として起こるかということを論じています。
その起点を、ティッピング・ポイント(THE TIPPING POINT)と言っています。これは、「あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間のこと」と定義されています。


この著者の特徴は、いくつもの事例を挙げ、その中の事実を積み上げ、帰納的に集約していくのが特徴なのですが、この本でもその姿勢です。この本が、最初なのですから、グラッドウェル自身のスタイルなんですね。


急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫)

急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫)


要点は、次の4つかなと思います。
1.爆発的な感染を起こすには、少数の法則、粘りの要素、背景の力の3つの原則がある。
2.社会的伝染で重要な役割を果たす人物として、媒介者(コネクター)、通人(メイヴン)、セールスマンがいる。
3.人の行動に感染する効果的な集団の規模は150人以下である
4.ちょっと正しい場所(ティッピング・ポイント)を押せば、世界は傾く


少数の法則とは、感染はごく一握りの例外的な人々の努力によって広まっていくということです。
粘りの要素とは、頭にこびりついて離れなくなるようなメッセージに強い印象があるということを意味しています。
背景の力とは、感染は環境の条件や特殊性などの影響に左右されるということです。


媒介者とは、世界を束ねる特殊な才能を持っている人々をいうそうです。
メイヴンとは、知識をたくわえている人で、経済学では市場通の方が一般的なっているということです。
セールスマンとは、説得する技術を持った選ばれたグループとのことです。


とにかく事例が多く取り上げられています。
事例一つ一つが覚えておくと、話しのネタになるようなものばかりです。


中小企業診断士のようなコンサルタントの方は、読んでおくと、話しのネタの引出がまた増えるかもしれませんね。


本の帯には、「勝間和代氏推薦」とも載っています。カツマ―の方もまだ読まれていない方は今すぐ書店へ駆け込んでください。