ヘンリー幸田さんの講義

昨日、東京都中小企業振興公社にて、農商工連携スキルアップセミナーに参加致しました。


講師の方は、クインエマニュエル法律事務所 米国弁護士のヘンリー幸田さんです。


題目は、「農商工連携の技術力強化。知的財産権」で、テーマとして、1.日米における知的財産戦略はこれだけ違う、2.知的立国で日本経済は立ち直る の講義をしていただきました。


この方、1972年に32歳の時に米国のロースクールへ入学され、1977年に現地で法律事務所を開設されたそうです。日本でもロースクールができたということで、最近は春と夏に日本のロースクールで教鞭を取られているそうです。


私がビックリし、感心したのは、彼の講義スタイルです。
講義用の参考資料はなく、しゃべりだけ、それも片手はズボンのポケットに突っ込んで、歩きながら、前列に座っている人とアイコンタクトを取りながら、講義が進みます。
正直言って、カッコ良かったです。

目に力があるんですよね。思わず話しに引き込まれてしまいました。また、資料がないので、幸田さんが話されることを必死にメモってました。B5ノートで9ページ分です。このセミナーで、こんなにノート取ったのは初めてでした。


講義の内容も非常に面白く、興味あるものでした。
まず、知財の歴史を振り返る話です。知的財産の原型とは専売権だそうです。これは、王様にとっては、専売権を与えた人間より、その収入の3分の1を王様のところへ入ってくることになってるので、税収の変わりになっていたそうです。


世界最初の特許法は、イタリア・ヴェネチア共和国で生まれたそうです。1443年には、発明に対して、特許が与えられたとされますが、1474年、世界最古の成文特許法として「発明者条例」が公布されたとの話から、現代に至るまでの特許の歴史を講義していただきました。


イギリスの産業革命や日本の特許制度の始まりなどは、法律家で、科学者、医者でもある哲学者ジョン・ロック自然権思想が大きな影響を与えているというのも、非常に興味深いお話しでした。


最後に「勉強」=「考えること」の面白さについて語って頂きましたが、この講義自体が、いくつか興味を持ち、さらに調べてみたいなと思うよなことが散りばめられており、おっしゃられていることが実感できる内容でした。


また、トーマス・エジソンの発明品のコレクターでもあるようです。
著書もあり、「天才エジソンの秘密」などの著作のプレゼントも抽選でありました。


日本には、特許を生み出す良い技術を持った中小企業があるから、中小企業診断士として、知財の面白さと、知財をもっと活用するように働きかけてほしいとの要望も聴講生に投げかけられました。


私もメーカー勤務の時は、特許・実案で約40位の登録はあるので、特許に携わった経験を活かして、先生がおっしゃられるような活動ができたら・・というか、していきたいと思いました。