売国経済

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、渡邉哲也著、「売国経済」です。


なにやら、凄いタイトルの本だと思い、書店にて手に取った本である。


著者の言う「売国」とは、日本が持っている技術や付加価値製品をできるだけ高く売ることで、日本を潤うようにしようという意味らしい。


売国経済

売国経済


全6章立ての本であるが、どの章も切り口が鋭く、今まで読んだ同種の本とは異なる観点で論じています。


第1章 「無韓論」―終末に向かう韓国経済―外資に支配された韓国の断末魔

韓国経済の概況が語られています。

元来、日本の援助を受け、日本の下請け的存在だった韓国語が、IMFの支援のもとそこから脱皮していくが、オリジナリティがないので付加価値があるようなものができない状況が語られています。


第2章 知的財産で押しつぶされる韓国―アップルVSサムスン訴訟戦争が明らかにしたもの

コピー商品を作ることに長けているが、知財をおざなりしており、それがこれから韓国を苦しめることになりそうです。

アップルとサムスンの特許訴訟の例を取り、実態が描かれています。


第3章 新興国成長モデル崩壊の時代へ―先進国同士の地産地消経済が誕生

これからは、先進国はその土地で販売するものはその土地で生産していく傾向がさらに加速されていくとうことです。


第4章 日本人の最大の敵は日本人―売国経済・失敗の歴史

日本と言う国を俯瞰的に見れば、大国であるのに、自分たちを過小評価し過ぎであることが述べられています。


第5章 価値観外交とは何か―インフラ輸出を通じて日本を売り込め!

この章は非常に面白かったです。

価値観外交を拡げていくために、今後日本が進むべき方向性が示唆されています。



第6章 世界で売れる日本の価値―国を売れば国は復活する

全体を総括していますが、良いものをより安く供給していく時代は終焉を迎えるということで、オール日本で日本の持っている技術を売り込むことで価値観外交を広めていけば、日本は再び復活していくことができるであろうということ。


そのために、日本人は、日本の様々なものに対して自虐的に見るのではなく、自信を持って目指すべきだと論じています。



これは、経済のことが書いてあるので、ビジネス書とも言えますが、社会分野の本でもあると思います。


これからの日本の方向性について考えたい方は、本書も読んでみると参考になるかもしれません。