農商工連携支援コンサルタントスキルアップセミナー【事例】

昨日、農商工連携支援コンサルタントスキルアップセミナーに参加してきました。場所は、秋葉原にある東京都中小企業振興公社でした。
いやぁ、農商工連携に関するテキストが7冊、農林水産施策のご利用ガイドブック4冊(農業編、漁業編、林業編、補正予算編)というボリュームある補助教材をいただきました。


講義は、農商工連携の実際の事例ということで、第1回計画認定事業者である株式会社ナバ代表取締役の高田容治さんより、認定を受けた際の体験談とポイントの講義がありました。


この会社でやられた事業は、新潟産錦鯉の証明証の発行システムです。「何なの?それ。」って思われる方も多いと思います。私もお話を聞き始めた時には同様な気持ちを持ちました。
この事業開始の経緯を聞くと、奥深いものがあるなと感じました。お話して頂いた経緯をザッとまとめると次のようになります。
・新潟産の錦鯉は、約200年に渡り中越地方の生産者により産出されてきた。
・生産されている錦鯉の約7割が輸出されている。
・2004年10月に発生した中越地震において甚大な被害を受けた産業でもある。
・犬の血統証のように原産地証明や生産者証明をすることで、新潟産錦鯉のブランドを構築すことを狙った。


私も知りませんでしたが、錦鯉って高価なものは2,000万円から6,000万円ぐらいするらしいです。
また、海外に愛好者結構いるということも初耳でした。海外の方が、日本と比較すると二極化しているので、富裕層は使うところには使っている様です。


農工商連携を進めるに当たってのポイントを、ご自身の経験を踏まえて大きく2つのステップ分けて話をされていました。各ステップでのポイントは次のようなものです。
【ステップ1:まず認識すべき6つのポイント】
1)農商工連携支援の対象は事業活動である→やろうとしていることがビジネスモデルとして成立していること
2)市場が存在している、あるいは新規に構築出来る可能性があること→マーケティングで躓くケースが多い
3)連携する農業従事者、協力者とコンセンサスが十分であること
4)競争相手に対する対応がとれていること→独自性、優位性、継続可能性の分析が必要
5)徹底的な現場主義であること→机上のプランは必ず失敗する
6)失敗しても逃げ道が担保されていること


【ステップ2:申請にあたっての注意点】
1)作成要綱を十分に読んでポイントを押さえること。→うっかり見過ごすと後で泣きを見る
2)希望的観測でスケジュールを組むと失敗する。
3)補助金は支払い済み経費に対してのみ。事前に十分な資金繰りを。
4)連携のスキームが最も重要。
5)アドバイザーの共感を得ること、そしてとにかく分からないことは聞くこと。


今回が初めて参加させて頂きましたが、講師の方の体験に基づく実践的な話で非常に内容も濃く、今後の参考にもなる内容でした。