センスのいい脳

暑い一日でした。先ほど、中小企業診断士メンバーとの懇親会が終わり、帰宅してきたところです。
机の上が乱雑だと、余計暑く感じますね。少なくとも5Sの中の整理・整頓だけでも実行したいものです。


さて、読書本の紹介です。山口真美著、「センスのいい脳」です。
良く「センスがいい」とか「あの人のセンスはちょっとね」などと言っている「センス」の良し悪しの源はどこだろうと日ごろ思っていました。「センス」の良し悪しを左右しているのは私たちの脳だということです。やっぱり感覚的なことだから、脳が関係してくるんですね。


認知心理学の観点より、センスの不思議な世界の最前線に迫っています。人間の持つ五感の中でも視覚は重要な感覚の一つらしいです。かなりの部分、視覚に関しての認知のプロセスやメカニズムについて説明されています。


この本の中で、マーケティングにも関係する内容で面白いと思ったのは、洗剤や携帯電話での広告のやり方についてです。
洗剤や携帯電話で大量に広告を打つのは、何度も広告を見ることによって店頭で無意識にその商品を手に取ってしまうからだそうです。認知心理学に基づいた宣伝手法では、既存品と同じような機能を持つ商品を売る出す場合は、機能を詳しく説明するより「慣れ親しみ感」を作り出すことが有効とされているとのことです。
我々、連呼されると無意識に動いてしまうのですかね。今、衆議院選挙の真っ最中ですが、候補者の名前を連呼するのもその作用を利用しようとしたものなんですかね。


センスのいい脳 (新潮新書)

センスのいい脳 (新潮新書)


もう一つ面白いと感じた話として、「人生最初の記憶」の話があります。
ふつう人は昔の記憶を溯ることができるのは、三歳か四歳程度のころだろうとのことで、この年齢の子供を対象に、赤ちゃんのように新しもの好きか、大人のように古いもの好きかが調べられたそうです。すると、この時期がまさに新しもの好きから古いもの好きへと、脱皮していく時期であることがわかったそうである。


著者は、このように書いています。
私たちの感覚には個人差があり、その個人差には意味がある。つまり私たちはみな「センスのいい脳」を持っているのだ。


この個人差の意味が何かを知る上でも、認知心理学の視点より興味深く説明されているこの本の一読をお勧めします。