「穴場」の喪失

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、木村凌二、マイク・モラスキー共著、『「穴場」の喪失』です。


この本、タイトルに惹かれて、手に取ってしまいまいました。


「穴場」って、一般にはあまり知られていないけれども、良い場所のことですよね。



確かに、ネット社会になり、いろいろな情報をPCやスマフォから知ることができるようになり、自分だけが知っている良い場所がなくなっているような気がしていたからです。


さて、本書は、早稲田大学国際教学部で教鞭を取る古代ローマ研究者と日本文化研究者の二人の学者により、変わりゆく社会をそれぞれの見地を述べ、対談しています。 


テーマは、食文化、映画の日米比較、ギャンブル、地域性、街の五つである。


同世代からちょっと上ということもあり、出てくる話にノスタルジーを感じつつ読み進めました。


我々世代にとっては、そうだそうだと共感を覚える本だと思います。


但し、「穴場」の喪失については、それほど議論されていないようにも思えました。


振り返ってみると、いろいろ良い場所がなくなっているので、もう少し議を深めてもらいたい気もしました。