人工知能と経済の未来

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、井上智洋著、「人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊」です。


本書の著者は経済学者です。


人工知能が進歩・発展すると人工知能に多くの人が仕事が奪われていくと言われています。


そのとき、経済的にはどのような状態になるのか、また職を失われた多くの人たちがいる状態で、どのような経済政策があるのかを論じています。



技術的進歩により、職をなくしてしまう状況を技術的失業といううのらしいですが、それには二種類あるということです。

・摩擦的失業:労働移動に時間がかかるために発生

・需要不足による失業:労働移動する先がないため発生


AIが進歩すると、多くの職種でいずれかの技術的失業が発生するようです。


このような失業に対しては、マクロ経済の重要性が高まってくるそうです。


その中でも財政政策ではなく金融政策の方が効果があるだろうと著者は考えています。


最終的にはAIにはBI(ベーシック・インカム)が効果的な手段になるのではないかと著者は述べています。


なかなか面白い見解です。


それから、このようにAIが進歩しても著者は次の領域の仕事は人間の力が必要とされるだろうと考えています。


クリエイティヴィティ系
・マネージメント系
・ホスピタリティ系


創造性を有したり、人と接して人間の持つ感覚で即時対応が求められるような仕事のようです。


これも、読んでみると、なるほどなと思えました。


AIが進歩するとどうなるかという技術的観点の本が多い中、経済的観点からの予見をしている点で、本書は参考になる点が多いと思います。