明日、機械がヒトになる

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、海猫沢めろん著、「明日、機械がヒトになる ルポ最新科学」です。


著者は小説家・海猫沢めろん氏です。


本書は、著者が最先端の研究を行う7人の科学者を訪ね、「人間化する機械」と「機械化する人間」、その両方がぶつかり合う境界を見つめ、「人間」とは何かを考える構成になっています。



取り上げられているテーマは、SR、3Dプリンタ、アンドロイド、AI(人工知能)、ヒューマンビックデータ、BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)、幸福学の7つです。


この本の面白いところは、表面的にこれらの技術を取り上げているのではなく、機械が進化し、人間のようになりつつある状況から、人間とはなんぞやということを問いかけ、求めていることだと思います。


なので、内容が哲学的なところもあり、そういう意味での解釈の難しさもありますが、機械が進化していく、人工知能が進化してく・・・という状況では、やはりそういうことを考えることの必要性を、我々に投げかているとも捉えることができます。


この本で初めて知ったのが「受動意識仮設」ですが、そうなんだぁ・・とただ感心。


でも、この前提で最後の幸福論で登場する慶應義塾大学の前野隆司教授は、「人間は機械だもの」と言っているのかなと思った。


単に新しい技術を知るだけでなく、それが突き詰められると我々はどうなるのかという視点を投げかけてくれます。


興味ある方は、ご一読ください。