コストダウンのポイント(7) 業界慣習、商流を知っておくこと3
C製鉄の見学から3日後、C鉄商事が見積を持ってやってきました。
「業界標準ということで、お見積もりをお持ちしました」ということで、見積を受取り金額を見ると、「!!!」(私の心の中)であった。
既存の取引先のA製鉄やB鋼板のものより提示額が低いのだ。
内心は嬉しかったが、平静を装い、「まずは検討してみます」ということで、その見積を受け取った。
これは、材料費としてもかなりのコストダウンが狙うことが可能になる。
社内で提示したのだが、喜ぶ者もいれば、そうでない者もいた。
一つは、従来取引先に、まんまと騙されていたことになってしまう当社や関連会社の購買担当である。
特に、通常直接やり取りしている関連会社の購買担当の反発は大きかった。
この後、C製鉄製の表面処理鋼板も導入の運びとなるのだが、それには、生産面、品質面など様々なことを、試作評価を通して確認していくことになった。
ここでは、コストダウンについて述べているので、それは省略する。
もし、ある材料、それも複数の会社で死蔵しており、あなたの会社では、その数社としか接触しておらず、未接触のところがあるならば、それはコストダウンのチャンスになるかもしれない。
導入が決定してからの、後日談になるが、C商事の担当が、業界に集まりに出た時に、A製鉄とB鋼板のそれぞれの取扱商社の担当者から、「大変なことをしてくれましたね」と文句を言われたそうである。