君がいる場所、そこがソニーだ
これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。
今回紹介する本は、立石泰典著、「君がいる場所、そこがソニーだ ソニーを去った異端たちの夢」です。
ソニーというと、昔は心ワクワクする製品、あっ、欲しいな、かっこいいなと思えるAV製品を出しているメーカーという印象が強かったと思います。
君がいる場所、そこがソニーだ ソニーを去った異端たちの夢 (文春新書)
- 作者: 立石泰則
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/03/18
- メディア: 単行本
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このソニーに代表されるような日本の電機メーカーは、一時期、世界中を席巻していた感がありますが、今はその勢いはどこに行ったのやら・・という状況です。
本書は、『誰もやらないことをやる』という今のソニーが失ったソニースピリットがこんなところで花開いていた創業者、井深大・盛田昭夫のDNAを受け継いだ驚くべきソニーOBの五つの挑戦について紹介したものです。
本書を読んで感じたのは、ソニーだけではなく、グローバル化ということで、多くの日本企業が欧米式の経営手法や海外生産展開を図りましたが、それは単なる右へ倣え敵行動であり、その企業の持っていた特色を失っているのではにかということです。
創業者の精神を受け継ぐような新たな挑戦を行っているソニーOBの行動に、新しい日本のものづくりの方向性の一つがあるのかなとも思います。
この停滞した雰囲気に、一筋の光明を見いだしたいと考えている技術者の方には、一服の清涼剤になるような書籍です。