本日、西立川にて産業サポートスクエア・TAMA開設一周年の記念講演会を聴講してきました。
講演は2つありました。
講演Ⅰは、「中堅・中小製造企業の成長戦略の実現−経営者との対話より」という演題で、国際高等研究所フェローの岩田一明氏が講演者でした。
講演のポイントは、以下の3つありました。
1.最近のものづくり企業をみる視点
2.元気な中堅・中小企業の現実(事例)
3.今後のイノベーションの方向
一番最初の、ものづくり企業をみる視点では、「経済のグローバル化と民族国家の継続」と「マクロ経済要因のインパクトへの留意」を考えていかなければならないということが印象に残りました。
確かに、経済のグローバル化が進展していくと企業やそこで従事する人たちはボーダレスになるわけで、その中で国家はどうあるべきか、国家とどう関わっていくかについては考える必要があります。
また、為替変動などにより企業の業績等も左右されるので、マクロ経済要因のインパクトについても留意が必要であることが理解できました。
元気な中堅・中小企業の現実は、実際に講演者の方が企業を訪れ、そこの経営者の方とお話された中で出てきたことを、企業の目標、強み、実際どのようなことが行われているかなどを9つの事例について紹介がありました。
「日本でいちばん大切にしたい会社」で取り上げらた企業も紹介されており、お客様への共感・感動を生みだしていくことが、一本軸として通っていました。
サービス業の事例としてAKB48の事業を運営している企業の話が出てきましたが、ここでは、完成品からプロセスの時代になっており、共に感動し、共に成長・熟達していくことの価値が求められるようになってきているとの話でした。
講演Ⅱは、「これからのモノやサービスのつくり方」という演題で、産業技術大学院大学教授の吉田敏氏が講演者でした。
講演のポイントは大きく2つで、一つは、「日本の技術の特性は?」、もう一つは、「なぜ、今イノベーションが必要か?」でした。
話しの中で、日本の技術の強み、弱みは次のように語られていました。
【日本の技術の強み】
■与条件への統括的な理解と対処:何をつくるか与えられると求められていることを包括的に理解して、それに取組むということを言っているようです。
■徹底的な質的つくり込み
【日本技術の弱み】
■ユーザー視点を持ちにくい
■ここはメモできませんでしたが、例えばロケットのように複雑で大掛かりなもの考えて、創り出すことが弱いというような内容でした。
イノベーションについては、それが起こって今までものにとって代わった例として、インシュリンのイーライ・リリー社とノボ社の例が挙げられていました。