コストダウンのポイント(6) 業界慣習、商流を知っておくこと2

調べてみると、対象の表面処理鋼板は、他にC製鉄でも製造していることがわかりました。


そこで、C製鉄の鋼板を扱っているC鉄商事に連絡を取り、担当者に会うこととしました。


会って、話を聞いてみると、我々の業界との取引はない模様で、担当者もなんとか食い込めるならと意欲的でした。


こちらでは、まずは鋼板種類と板厚だけの概要仕様を提示しました。


この時は、見積をお願いせずに、まずはどのような工程で、この鋼板が製造されているのかを見たいと言うことで、工場見学を依頼しました。


その前に、サイズダウンの効果について述べておきます。


例えば、厚み0.30mmの表面処理鋼板を厚み0.25mmにした場合、鋼板そのものの価格(この場合、重量当たりの単価)が変わらないとするならば、コストダウン効果は、サイズダウンした割合だけコストダウンになります。


この場合、(0.30-0.25)/0.25×100=20% のコストダウン効果が狙えます。


後日、C製鉄の製鉄所を訪れ、一連の工程を見学させて頂いた。


ご存知の方も多いと思うが、製鉄所は、広大な敷地の中で、それぞれの工程を持っているので、バスに乗って各工程へ移動します。


見学も終え、帰り道、担当者も駅まで見送りに来てくれました。


そこで、私は見積を担当者にお願いしました。


向こうも、他のメーカーといくらで取引しているか、知りたいのと、こちらの腹積もりも知りたいので、さかんに「どのくらいの値段なのでしょうか?」と聞いてきました。


それに対して、私は、「業界の標準価格でまずは提示してください」とお願いしました。


さて、結果はどうなったのでしょうか・・・次回をお楽しみに!