知財もいろいろ!

昨日は、仲間から聞いた話でしたが、今回は私自身のことです。


中小企業診断士、専門業務がない分、本当にいろいろな課題にぶち当たります。非常に毎日が変化に富んでいて、決まり切ったような毎日はいやだ、という人には非常に向いていると思います。


事業者の中には、結構いろいろなアイデアを持っていて、ユニークな商品を世に出していらっしゃる方がいます。


その方も、新商品を出されていました。これから経営を軌道に乗せていきたいということで相談に来たのですが、話しは思わぬ方向へ転びます。


突然、電話がかかってきて、
「うちと同じ商品が出されています。サイズがちょっと小さいだけです。」
「ええと、特許出しているって言っていたけれど、特許のクレームはなんて書いてあったの?」
「クレーム?よくわかりません」
「あっ、請求の範囲ね。そこにサイズのことは書いてあるの?」
「書いたてあったような気がします。」
「番号は?」
「わかりません」
「じゃぁ、調べて、こちらから電話します」
と言って、一旦電話を切りました。


出先だったので、戻ってきてから調べてみると、特許ではなく、実用新案。クレームの部分は、サイズの規定はなく、広い部分で押さえてあります。


但し、実用新案。


この実用新案が曲者。


その経営者、「特許は登録になっています」と言っていたが、今の実用新案は技術的な審査を経ずに登録にはなってしまう。


しかし、権利主張するためには、特許庁に技術評価請求して、評価してもらいお墨付きをもらわなければならない。


もし、それをしないで相手に権利主張した場合には、場合によっては無過失賠償責任が生じる場合がある。


ということで、本件は「技術評価請求書を特許庁に提出して、技術評価をしてもらってください。クレームからは、相手が侵害している可能性は高いので、特許庁からお墨付きをもらいましょう」ということで動くことになった。


さっそく、クライアントさんへ情報提供するため、特許庁のHPから「実用新案技術評価書作成のためのハンドブック」を参考資料とすることにしました。


中小企業診断士は、日々変化あり、常に学ばねば、魅力も保てない、見方によっては非常にシビアな稼業です。