コストダウンの進め−その4−

前回は、大手メーカーでサプライヤーへの対応を決めるために使われる手法の一つとして、縦軸に、その購入部品、外注品の事業の影響度大小を、横軸にサプライヤーさんの優位性の大小を取った部品調達マトリクスの使い方について説明致しました。


ちなみにこの4象限を使用して、私が以前在籍していた会社で、ある精密機械に使用している部品着類を部品の購入金額比と部品種類で分析したところ、

第1象限:カスタムデバイス系ゾーン 67種 44.2%
第2象限:特殊成型品系ゾーン 611種 50.8%
第3象限:汎用デバイス系ゾーン 4種 2.5%
第4象限:汎用機構部品系ゾーン 90種 2.5%

でした。非常にサプライヤーの技術に依存している部分が多いことがわかり、代替品の探索やサプライヤーの絞り込みにてコストダウンを図った思い出があります。


さて、今回は、前回に続いてサプライヤーすなわち外部調達について、コストダウンの着眼点とその施策について、段階を経て実施していることをお教えします。


着眼点としては、6つあります。列挙しますと
1)モノを安く買う
2)安いモノを買う
3)手間をかけずに買う
4)安くなるように設計する
5)安くなるように作る
6)安い冶工具で作る

また、原価低減の施策とそのキーポイントを挙げると下記のようになる、合わせてそれらの施策が、上記のどの着眼点に基づくものなのかも併記しておきます。


【コストダウン施策とキーポイント及び着眼点】
施策1:ハードネゴシエーション、(key)交渉力強化、(着眼点)1)
施策2:集中購買、(key)購入数量合算によるボリューム割引、(着眼点)1)
施策3:グローバル調達、(key)海外廉価部品調達、現地調達推進、(着眼点)1)、2)
施策4:オークション、(key)参加サプライヤーの同時値引きプロセス、(着眼点)2)
施策5:カタログ購買、(key)購買プロセスの自動化、自動発注、(着眼点)3)
施策6:サプライヤー選定の効率化、(key)多数サプライヤー参加、見積比較効率化、(着眼点)3)
施策7:廉価新部品の採用、(key)高集積部品、新機能部品の採用、(着眼点)4)
施策8:既存部品流用の徹底(新規部品抑制)、(key)部品再利用、類似部品の積極採用、(着眼点)4)
施策9:強調設計、(key)早期原価作りこみ、(着眼点)4)
施策10:部品集約、サプライヤー集約、(key)同一部品の集約、サプライヤー絞込み、(着眼点)5)
施策11:VA/VE、(key)VE等による部品単価低減、製造方法改善、(着眼点)5)、6)
施策12:設備/金型費の抑制、(key)設備・金型の有効利用、保全費用の抑制、(着眼点)6)


いかがですか?
いろいろなことを考えていますよね。でも、もう皆様方も、相手がどのような手口で攻めてくるのか、判ったわけですから対処の方法は考えられますよね。