コストダウンの進め−その2−

今回は、大手メーカーではどのようにして、コストダウンに取り組んでいるのか、をお話ししたいと思います。
といっても、ここで述べることが大手一般に当てはまるかというと、そうではありませんので、あしからず。


では、敵を知ると言う観点で、どのようなアプローチで、コストダウンの方針を出しているのか探ってみましょう。ここでは、組立系の企業の一例を見ていきたいと思います。


まず、なぜメーカーでは、皆さんたちを目の敵にしたようなコストダウンの要請をしてくるのでしょうか。
一般的には、メーカーでの費用の内訳を大雑把に見てみますと

材料・部品購入費 50%加工費 30%管理費・利益 20%となっています。


製造業では一般的には売上に占める材料費等は50%以上占めると言われています。これより、本当にザックリと各費用でのコストダウン効果を試算してみると

材料費等を10%下げれば、製品全体の5%コストダウンができますが、同じ効果を得るには、加工費では17%のコストダウンが必要となります。どちらを重点的に攻めていった方が良いのかは、ハッキリしていますね。


だから、皆さん方に対して、きつく、厳しい、コストダウンの要求を突くつけてくるのです。


このため、大手メーカーの購買部門などでは、調達品に関する知識を高めようとしています。
外注加工品とは、自社の図面や仕様に基づいて外部に製作を依頼する品目のことです。例えば、鋳造品、ダイカスト、射出成形品、機械加工品、半完成品、完成品などの品目です。


また、購買部も単なる資材の適正価格での取引により、納期確保やコスト低減を図るだけではなくなってきています。
更に技術的分野にも精通し、例えば御社で実施されている加工段取りや加工の難しさ、加工時間など業者に対しての科学的アプローチにより、よりコストダウンを図ろうという意志のもと、開発購買部などの名称を附している部署も多くなっていると思います。


しかし、昔と比較すると、会社の人員構成や従業員教育に対する考え方が変わってきています。
今の技術系の人間を見ると、全体的には人の質も落ちてきているのかな、と感じることがあります。


特に、新入社員の激減により、ローテーション頻度の低下により、現場を知らない、図面がわからない、加工を知らない購買部員が昔と比較したら、確実に増加傾向にあるように思います。


このことは、裏を返せば、皆さま方のような中小企業の方が、知識や経験を有しています。もう少し、堂々と渡り合ってもいいにではないでしょうか。どうか、自信を持ってください。


今回は、まだ大手メーカーの取組みの一部を見たに過ぎません。次回も継続して、このテーマで、お話ししたいと考えております。