トヨタの強さの秘密

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、酒井崇男著、「トヨタの強さの秘密 日本人の知らない日本最大のグローバル企業」です。


この本、面白かったです。



タイトルだけ見ると、よくあるカンバン方式などを書いたトヨタ本かなと思ってしまいます。


しかし、本書ではそれは一面しか見ていない。


トヨタが強いのは、。「世界の人が『買いたくなる』クルマを設計しているから」ということでトヨタの製品開発面にフォーカスして書かれています。


我々がよく書店で目にしたり、話として聞くカンバン方式などはTPS(トヨタ生産方式)です。


でも、トヨタの強さの秘密はTPD(トヨタ流製品開発)にあると筆者は言っています。


市場れるものをしっかりと設計し、その設計情報をきちんと生産現場で転写する仕組みがトヨタにはできている。


TPDの中でも主査制度がその強さの根源であるということです。


主査はある意味オールマイティな人物です、それをこの本ではタレントという表現を使っていました。


個人的は、この本を読んでスッキリとした部分がありました。


昔、日本ではゼネラリストをある一定数、育てていこうとしていたのに、最近はスペシャリストを求めるような風潮があり、なんか違感があったのですが、強い企業では、やはりそういう人たちを育て上げていくようにしているんだなと思いました。


売れるものが、どのようなものであるかをまず分析し、そして売れるものを設計する、そしてそれを必要なときに必要な量を作り、売っていく。


ムダのない流れです。


その根源が、「売れるもの」を設計することなのです。