マンボウ最後の家族旅行

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、北杜夫著、「マンボウ最後の家族旅行」です。


本書は、絶筆も含む最後の連載エッセイ集です。


この本を読むまで、著者が他界されたことを知りませんでした。



中学生の頃からのファンで、初期の「どくとるマンボウ」シリーズは読破しています。


本書でも、著者が大腿骨骨折をして、娘の由香さんによりスパルタリハビリが開始されます。


それをユーモアを交え、著しているのは、さすが”北杜夫”です。


挿絵がヒサクニヒコ氏なので、昔読んだ「さびしい王様」「さびしい乞食」「さびしい姫君」を思い出してしまいました。


最後に奥様の喜美子の「マンボウ家の五〇年」と娘由香さんのあとがきに代えての「父が残したユーモア」も著者の知られざる一面を知ることができました。


ほんの数時間前までちゃんとしていたのに、病院で突然に死を迎えた様子が描かれていましたが、私は自分の父のことを思い出してしまいました。


北杜夫ファンにとっては必読の書です。