経営戦略論入門

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、波頭亮、「経営戦略入門: 経営学の誕生から新・日本型経営まで」です。


昨日に引き続き、経営戦略について説明している本です。


この本の面白いのは、まず1930年代、1960年代、1980年代、1990年代、2000年代と経営戦略論が時系列でどのような変遷を経てきたかを概観しています。



そして、それを4つのタイプに類型します。


まず、方法論の軸による分類で、プラニング学派とエマージェンス(創発)学派です。


もう一つは、戦略タイプによる分類でポジショニング学派とリソース・ベースド・ビュー学派です。


そして、経営戦略の有効性について論じています。


ここまでが、第Ⅰ部の経営戦略論の系譜と分類です。


そして、第Ⅱ部は、現代の経営テーマです。


著者は、それをイノベーショングローバル化として、日本がどのような方向に進んだら良いかを示唆しています。


最後に新・日本型経営と題して、従来言われてい終身雇用・年功序列・企業内組合について戦後に生まれたものであるという歴史も述べ、これからどのようなスタイルで臨むべきかを論じています。


年功序列は崩さなくてはいけないと述べています。


この本は、経営戦略論を網羅しつつ、著者の観点も踏まえ、これからの日本の経営戦略についても論じているところが、良かったです。


今後の日本はどこに進んだらいいのだろうと考えている方、中小企業診断士などのコンサルタントの方、また中小企業診断士試験の受験などで経営戦略論について勉強しておきたい方は、一読してみてはいかがでしょうか。