サムスンの最強マネジメント

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、申元東(シン・ウォンドン)著、岩本永三郎訳、前坂俊之監修、「ソニーパナソニックが束になってもかなわない サムスンの最強マネジメント」です。


題名が強烈ですね。


ソニーパナソニックが束になってもかなわい・・・」なんて、今のサムスン電子を象徴しているような感じです。


ソニー、パナソニックが束になってもかなわない サムスンの最強マネジメント

ソニー、パナソニックが束になってもかなわない サムスンの最強マネジメント


でも、これはサムスンで人事部長を務めた著者が付けた題名ではないようです。本書は韓国で「サムスンの人材経営」という題名で出版されているそうです。


この本を読むとサムスンがいかに人を育て、人を活かすことにお金と時間をかけているかが分ります。


人材が一番大事であるということを認識している会社であるということがわかります。


経営資源の中でも他は代替えがありますが、人は補うことが難しく一番重要な経営資源です。


この本を読んで感じたのは、昔は日本も「人」の面を中心に経営が進められていたのに、いつのまにか欧米の経営手法を真似るようになり、企業の中の人をないがしろにしてきたつけが今の日本企業の実状を表しているのかなということです。


日本の電機メーカーではリストラが進められていますが、人の重要性をないがしろにしていいのでしょうか。


リストラされた人、あるいは自主退職した人がサムスンに入って、結局は自分たちの首を絞めていることにならないようになって欲しいものだとおもいました。


サムスンの「人材経営」は、ハーバードのビジネススクールの研究対象としても取り上げられるようになったそうです。


この本を読むと、その核心を知ることができると思います。


それにしても、本書、巻末は訳者と監修者のプロフィールは載せているのに、肝心の著者のプロフィールが掲載されていないのが残念でした。