「心の時代」にモノを売る方法

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、小阪裕司著、『「心の時代」にモノを売る方法  変わりゆく消費者の欲求とビジネスの未来』です。


本書は、消費者の欲求がどのように変わり、その欲求に応えるために何をしたら良いのかを示唆した本で、ビジネス書の類になると思います。


著者は、人の「感性」と「行動」に着目した独自のビジネスマネジメント理論を展開しています。



前に読んだ『「買いたい!」スイッチを押す方法』でもそうなんだけど、話を展開する前に出す店であったり、企業の例が、えっ!何、そんなことがあるの?というような感じで興味を引くように導くのは上手いなと思います。


本書に書いてある「心を魅惑するような会話」で引き込んでしまうのは、さすがだと思います。


さて、本書は世の中の変化に伴い、ビジネスも変化していかざるを得ない。


ビジネスが変わるのだから、個々のビジネスパーソンのあるべき姿も変わるだろうということで、個々がビジネスをどのように捉え、何に留意し、自分をどう磨いていくかについて書かれています。


構成は全6章で、第1章では、消費社会の変化を概観しています。


第2章では、変化と潮流は明らかなのに、なぜそれが見えないのか3つの原因について論じています。


第3章では、「売れない」という状況が抱える三重の問題を考え、そこから新しい消費社会におけるビジネスを展望しています。


第4章は、新しい消費社会でのビジネスの六つの成立要件を工業社会でのそれと対比しながら説明しています。


第5章は、これから現れてくるだろうビジネスの新しい姿・形について述べています。


最後の第6章では、こうした変化の中で、ビジネスパーソンはどうすればよいのかについて提言しています。


読むと、なぜだろうと思っていた今の世の中のビジネスの流れが腑に落ちると思いますよ。


でも、これをどう活かすかは、いかに実践の場を持つかだということでしょう。


そういう意味では、中小企業診断士技術士などのコンサルタント系の方々にお奨めの本だと思います。