ザ・クリスタルボール

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、エリヤフ・ゴールドラット著、岸良裕司監修、三木本亮訳、「ザ・クリスタルボール」です。


本書は、「ザ・ゴール」で有名な生産管理の大家、故ゴールドラット博士の作品です。


私は、発売当初この本を購入したのですが、約3年間寝かせて、ようやく読むことができました。


ザ・クリスタルボール

ザ・クリスタルボール


「ザ・ゴール」が製造業の作るものの流れを滞らさせないために、ボトルネック工程に目をつけて生産のフローを考えていくのに対し。今回は小売業を題材にしています。


それも在庫の最小化かつ商品の回転数をあげるためにどうするかということで、在庫管理、物流、そして仕入れの効率化をいかに行うかを取り上げています。


ゴールドラット氏の本が興味を引くのは、その生産管理の専門書的な内容もさることながら、物語としての完成度も高く、興味を持って読み進めることができることだと思います。


原本の面白さに加え、翻訳者の方が読みやすい文章にしてくれているのもあるのだと思います。


本訳本でよく見受けられるようなぎこちない表現はありません。


本書で述べられている内容は、特に目新しいとは思いませんが、物語を読みながら、売り上げと在庫のジレンマの解決策を知りたい方は、是非、本書を手に取ってください。