プラスチック成形技術の要点

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、高野菊雄著、『プラスチック成形技術の要点 「不良ゼロ」のものづくり技術の構築』です。


本書は、樹脂射出成形に関する技術専門書になります。


副題にある通り、射出成形において「不良ゼロ」にするための技術的な要点が説明されています。


プラスチック成形は、使用する樹脂、金型、射出成形機、周辺機器などの各要素の各条件が複雑に関係して、製品が作られます。


ですから、どれかの要素の条件が外れていれば、良品を作ることは難しくなります。


また、これらの要素は外乱により変動することもありますので、「不良ゼロ」にするのは結構難しい技術です。


本書では、大きく基礎編と実際編の二部構成となっています。


基礎編では不良ゼロへの取り組みの考え方、各樹脂の特性が解説されています。


実際編では、射出成形の様々な不良現象を取り上げ、その原因と樹脂、金型、射出成形機(成形条件)、周辺機器等での対策が解説されています。


これだけ、各要素を踏まえて網羅的に書かれているものは今まで読んだことがなかったので、非常に参考になりました。


射出成形業務に携わられている方は、一読されると良いのではないでしょうか。