「本当のこと」を伝えない日本の新聞

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、マーティン・ファクラー著、『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』です。


著者は、日本取材歴12年の米国人ジャーナリストです。


日本の新聞報道は記者クラブで得られる情報をベースにしており、情報ソースが同じだからどの新聞社も横並び。


地道な取材によるものや信念の通った記事が少ないことを指摘しています。


「本当のこと」を伝えない日本の新聞 (双葉新書)

「本当のこと」を伝えない日本の新聞 (双葉新書)


そして、米国のジャーナリズムと比較して、今後どのようにしたらよいかの示唆を与えています。


著者らが行った福島第一原発事故をめぐる取材の部分を読んだときには、あの光景がフラッシュバックしてきて、読みながらジーンとしてきました。


日本人は、何事においても人と同じ、横並びを尊ぶのかなということと、報道とは真実を伝えることだとすると、そういう使命に燃えている新聞記者というのは少ないのかなと思いました。


我々も福島第一原発の時には流している情報はどうも怪しいと思っていたわけで、そういう意味では日本でも今後真実を暴いてくれるジャーナリズムが進化してくれればと思います。


新聞報道の裏側を知ることができて、面白い本でした。