人間の叡智

これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。


今回紹介する本は、佐藤優著、「人間の叡智」です。


この本、中身が濃かったです。


米国、中国、EU、中東など今、世界は新しい帝国主義によって世界を再編しようとエゴを剥き出しに戦っている。


そのような「新・帝国主義」の時代を生き抜くためには国家の問題を考えなくてはならないという著者の視点よりl、世界の状況を眺め、そして日本の現状を見て、我々はどうやってこの世の中を生きていくべきなのかについて示唆を与えています。


人間の叡智 (文春新書 869)

人間の叡智 (文春新書 869)


私は、著者の佐藤優氏の著書は初めて読むのですが、多面的な見方を提供してくれるところが非常に参考になりました。


元外務省主席分析官だけあって、目に見える現象だけではなく、思想的な背景なども書いてあるので、面白かったです。


鈴木宗男氏の話も出てくるのですが、この本を読む前に鈴木氏の「政治の修羅場」を読んでいた良かったです。


繋がる部分があり、納得しました。


人間の内在的な倫理を知るのは「言葉」「心」「力」「行為」の4つの観点で見ていくのが重要だというのは、妙に腑に落ちました。


この「停滞」と「格差」を生き抜くための「武器」を身に付けなければならない。


その「武器」が叡智である。


これは、それぞれの分野で物事の本質がわかる、理解できる能力である。


そのためには、本を読み、古典を学び、専門能力を磨きなさいというとなのかなと理解しました。


ご一読をお奨めします。


是非、手に取って読んでみてください。