これから、本を山積みにしようとしている書斎の中の広い机を前にして、椅子にもたれながら綴る読書本の紹介です。
今回紹介する本は、博報堂ブランドデザイン編、「ビジネス寓話50選 物語で読み解く、企業と仕事のこれから」です。
冒頭は、数学の問題を方程式そのもので表わしたものと、文章問題としてストーリーとして表したものでは、どちらが正解率が高いかというアメリカのある教育学者の実験結果からスタートしています。
結果は文章題の方が正解率が高かったとのこと。
ビジネス寓話50選 物語で読み解く、企業と仕事のこれから (アスキー新書)
- 作者: 博報堂ブランドデザイン
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2012/08/10
- メディア: 新書
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これはストーリーとして描くことで、思い描くことで我々の中にはそれが腑に落ち身につくことを意味しています。
この本では、古今東西の寓話からビジネスに役立つものを寄り集め、それを解説しています。
終章では「50の寓話からみえてくるもの」として、これらの寓話を俯瞰的に見つめ直すと次の3つのキーワードが浮かび上がってくるとのべられています。
それは、次の3つです。
キーワード1:スピリッツ
揺るがない、強い「スピリッツ」こそが、これからのビジネスには必要。
スピリッツとは、企業や人が単なる経済合理性を超えて「自分は何者か」「なんのためにあるのか」という確信のこと。
キーワード2:共創する
顧客の攻略と獲得を競う「競争」の時代から、さまざまな仲間とともに目指す未来をつくり出そうとする「共創」の時代へと、ビジネスのあり方は変わりつつある。
キーワード3:とらわれない
かつてないほどに不確定で、複雑なうねりをみせて変化し続ける現代だからこそ、「過去にとらわれない」ことは、ビジネスを進めるうえでますます大切になっている。
ストーリーの中の含蓄を噛みしめ、なるほどと思うも良し、自分の新たな見方を考えるも良し、非常に面白い本でした。
これからのビジネスの視点を考えられることと、いくつかのストーリーを自分の話の小引き出しに仕舞っておくことができそうです。