技能の伝承

生産加工をやっている事業所だと、職人気質で非常の良い仕事をする腕の良い人が何人かいるものだ。


そんな職人さん、中小企業では辞めてもらっては大変と大事にされるが、つい見逃してしまうのは若い人たちに、その技能をいかに教え込み、伝承していくかということになる。


でも、皆さんだって経験しているように、世代間の意識のずれ、ギャップはあるもの。


特に最近の若い人たちは、集団より個を好んだり、定時後に一緒に飲んだりするのを嫌う傾向があると言われている。


ということで、そんな加工をやっている事業所での技能伝承に関しては、次のような課題があるのではないだろうか。


1)伝承にかける時間、コスト(人件費・設備)の余裕がない

2)受け継ぐ世代の人数が不足している(若い人がいない)

3) 熟練技能者自身が、技能伝承の重要性、自己責任を認識していない

4)受け継ぐ側の、向上心・熱意が不足している


1)については、経営者の意識の問題。


既存の設備で業務の時間でいかに伝承させていくかを考えれば良い。


2)は、まず不足していようが、伝承できる人がいるならば、数なんか問題せずに、その対象者にいかに教育していくかで、実行に移すことを考えるべきである。


3)は、自己の責任を考えてもらうというより、自分が培ってきた技を人に教え、引き継ぐ喜びを知ってもらうことではないだろうか。


4)向上心に火をつければ良い。



いずれにしも、最後は人。


人は感情の動物と言われているのだから、いかに擽り、自分が頼られているかを教える側にも、教わる側にも感じさせる経営ではないだろうか。


2007年問題では騒がれていたが、ものづくり日本を維持・発展させるためには、やはり技能の伝承をきちんとやる必要があるなと、あることを通じて感じだ次第です。