祝!日本勝利に見る組織論

3時から起きて、備えていましたよ。日本対デンマークのワールドカップサッカーの試合。


3時半からは、娘と二人でテレビに釘付け。


いやぁ、よくぞ勝手くれました。これで、決勝トーナメント進出です。


岡田監督のインタビューを聞いていると、日本は組織力で勝ったということを話していた。


ここでは、バーナードの組織論に、今回の日本チームがどのくらい当てはまるものなのか、独断と偏見(ないつもりだけど)で見てみましょう。


1)バーナードの理論では,組織を孤立した人間の集団ではなく相互に影響を及ぼし合いながら成立する体系(システム)ととらえている。この組織という1つのシステムをいかに維持するのかが課題になります。今回の場合、ワールドカップ前の国際試合で、ことごとく負けたことが、このシステム維持に一役買っているかもしれませんね。


2)バーナードは,人間を「全人」ととらえています。ここで、全人とは、理性とともに感情をもち、個人としての人格とともに社会性も有するものであり、合理的であろうとはするが、完全に合理的にはなりえない存在のことです。これは、まさに選手個人個人ですね。


3)全人としての人間は、個人として達成不可能ないし困難な目的を達成するために協働を行います。ここで協働とは、複数の人間が協力して1つの目的のために働くことです。この協働のための仕組みを協働体系(協働システム)と呼んでいます。

今回の日本チームの目的は、岡田監督が掲げたベスト4入りでしょう。


4)組織を成立させるための必要かつ十分な条件として、共通目的、協働意欲、コミュニケーション(伝達)の3要素を挙げています。

1. 共通目的
組織メンバー個々の個人目的を何らかの形で統合した組織としての目的。人々が協力して、意識的に調整された活動をおこなうためには、メンバー間に共通の目的が存在していなければなりません。この組織としての目的は、メンバーの個人目的と必ずしも一致するとは限りませんが、少なくともメンバーの合意を得られるものである必要があります。

先ほども述べましたが、共通目的は、ベスト4入りでしょう。

試合後の本田選手へのインタビューで、彼は「もっと嬉しいかと思ったが、我々にはまだ上を目指さなければならないので、思ったほど嬉しさがなかった」的な発言がありました。日本チームに、しっかりと共通目的が共有されているように思えます。


2. 協働意欲(貢献意欲)
協働意欲とは、組織メンバーの共通目的を達成しようとする意欲のことです。協働意欲を高めるためには、組織が金銭的・物的誘因とともに社会的あるいは心理的誘因を、メンバーに対して十分に供与することが必要となります。組織目的達成のためにメンバーが組織に提供する活動としての貢献を、この誘因(組織から得る価値)が上回らなければ、個人の協働意欲は失われてしまいます。すなわち,誘因≧貢献の状態を保持することが、組織のメンバーの協働意欲を確保するために必要となります。


日本のために、日本チームの一員として勝つということが、社会的あるいは心理的誘因になっているのではないでしょうか。


3. コミュニケーション(伝達)
コミュニケーションとは組織内における各種の情報の伝達のことであり、共通目的と協働意欲とを統合する役割を果たします。意思決定や命令の適切な伝達がおこなわれなければ、個々人の協働意欲が組織全体の目的を達成するための活動に結びつきません。組織が個人の活動の集まりである以上、それを全体として統合し調整するコミュニケーションがなければ,組織のまとまりが維持できません。


今日の試合見ていると、プレーの隙間隙間で、日本選手同士が声かけあったり、身振り・手ぶりで、位置取りやフォーメーションの確認などを行っていました。気のせいか、以前より頻繁に行っているようにも思えました。
また、岡田監督のところにも指示を仰ぎに行くなど、コミュニケーションを図っている様子が伺えました。


以上、中小企業診断士的視点で、今日の日本対デンマークに試合をテレビ観戦し、バーナードの組織論的観点より、日本チームについて紐解いてみました。


中小企業診断士第1次試験の受験生のみなさん、バーナードの組織論は試験に必ずと言っていいほど出ますから、要チェックしておいてくださいね。


これからも、日本チームには勝ち続けてもらいたいものです。頑張れニッポン!!