ものづくりの三原則

読書本の紹介です。市川徹さん著、「ものづくりの三原則―世界に通用する創造力を育むために」です。


最近、幻冬舎さんの罠に嵌まっているのか、幻冬舎が出版しているものづくり系の書籍を読んでいます。


今回は、半導体やFPDの検査装置の開発・製造を行っている日本マイクロニクスという会社を取り上げ、そこで創設経営者が実践しているものづくりの哲学の啓蒙・浸透・普及について書かれている。


ここで三原則と言っているのは、創設経営者の方が従業員の方々に説いている「原理・原則」に従い、「観・感・勘をフルに発揮しろ」の
「観・感・勘」の三つのことを言っている。


本書も、序章、第一章〜第三章、終章で構成されており、第一章〜第三章は「観・感・勘」に基づいて書かれている。



「観」とは、事象を情報へと変換する「観察力」のこと、「感」とは、情報を興味へと転換する「感動力」のこと、「勘」とは、興味から工夫を構想する「創造力」のこと をここでは言っている。


本書は、この創業者哲学に基づき、従業員がどのように気づき成長したかを、実際の従業員の声をもとにまとめている。


この会社は、高卒・無学歴のエンジニアたちが立ちあげた会社だそうだ。
半導体というと技術の最先端、いかにも学歴が高い人達が携わっていそうな分野であるが、この本を読むと学ぶということの本質を感じることができると思う。


一見、地味な本であるが、読むと含蓄のある本である。
ものづくりについて一言持っている方々が読むと共感されるのではないだろうか。