全脳思考

読書本の紹介です。
神田昌典さん著の「全脳思考」です。この本460頁近くある大作で、中身がそれだけ詰まっています。


本書は、右脳感覚をフルに活用した思考テクニックついて解説した本です。



経営コンサルタントが使うSWOT分析、3C分析、ファイブ・ファースモデルなどのフレームワークは現状の診断を行い、解決を得るために用いられるツールです。
これに対して、通常のビジネスマンに求められるのは仮説を立ててそれを行動に移し、結果を得ることが必要となってきます。



この仮説を立て、行動に移行するために、一連の流れを一枚のチャートを使って思考法が「全脳思考」なのです。
このチャートは、横軸を時間軸(現在→未来)、縦軸を状態の変化を取り、それぞれの時間経過において、どのような状態の変化が起きるのかを仮説立てしていくことで完成させていきます。
多分、慣れないうちはチャート完成まで大変なんだろうと思います。
従来の実績データやそのトレンドに基づく分析から、考えを導き出すのに対して、状況の設定とその場で何が起きるのかという想像により戦略を作り上げていくところが、従来の方法と比較し大きく違うところだと思います。


これは、ロジカルシンキングに代表されるような左脳だけを使う問題解決方法には、情報化・複雑化が進んだ環境における問題の解決に限界があるとの認識から、左脳の論理性に加え、右脳の感性を効果的に活用することにしているようです。



全脳思考

全脳思考



とにかく厚い本なので、正直言って、すべてが頭の中で理解できている分けではありません。
でも興味を引く内容が随所に出てきます。



とくに印象に残っているのは、前半に出てきた「事業成長のための5つの新原則」と後半部分で書かれているCPSです。
「事業成長のための5つの新原則」は東京マラソンに参加申し込みするまでの事例により非常にわかりやすく、理解と納得ができました。
5つの新原則は次の通りです。
【第1原則】指名検索
【第2原則】検索を促すネーミング
【第3原則】自己投影型消費を支える物語
【第4原則】物語にスムースに入り込める導線
【第5原則】サブエピソードを共有する場



実際、Webで検索するときも、そのものズバリの名前を入れて検索するようになっているので、これは自分でも腑に落ちたし、使える原則だなと思いました。


CPSとはCreative Problem Solving Methodの略で創造的問題解決技法とのこと。問題が出る前に解答をイメージにて考えるという手法で、その解答と問題のつながりを考えていくことでAHA体験ができるというモノらしいです。
これについては、これからもう少しどんなものか、勉強する必要がありますが、AHA体験ができるということで、脳に刺激を与えることで新たな発見や視点が得られるという点に興味が持てます。



従来のビジネスフレームワークは、もう使いこないしてしまって新鮮味がないと感じている方やしっくりしないなと感じている方は、この本を読まれることをお薦めします。